今回は特定技能外国人を受け入れる際にどのような住まいを選べばいいかについてまとめます。
「住まいは誰が借りるの?」「家賃は会社が負担するの?」
「シェアハウスできるの?」「賃貸の初期費用は誰が払うの?」
よくいただく質問に答えていきます。
適切な住居の確保は受け入れ企業の義務です
特定技能外国人を雇用する会社は、10個の支援を行う必要があります。その中の1つに「適切な住居の確保や生活に必要な契約に係る支援」という項目があります。(支援の内容についての詳しい記事はこちら)
企業は特定技能外国人を受け入れる際に以下の3つパターンのいずれかを行わなければなりません。
①外国人が住む物件探しや契約の補助
これは賃貸契約を外国人の方が行うパターンです。
その際は、物件情報の提供や同行などの住居探しの補助を行います。また連帯保証人が必要である場合は、企業が連帯保証人になったり、利用可能な家賃債務保証会社を確保したり、緊急連絡先になるなどの支援が必要です。
このパターンの場合、敷金、礼金等については、特定技能外国人が負担するものであり、受け入れ企業が支払う必要はありません。受け入れ企業が敷金、礼金等を任意に全額負担することや、特定技能外国人と負担割合を合意して一部負担することなどは妨げられません。
最近は外国人に部屋を貸さない不動産仲介業者や大家さんも多いです。なかなか物件がみつからなかったり、外国人の負担が大きくなるため外国人の離職率の増加が危惧されるため筆者はあまりオススメしていません。
②受け入れ企業が賃貸契約を交わし住まいを提供する
技能実習制度の場合と同様、入国のタイミングや国内からの引っ越しのタイミングで特定技能外国人に住まいを提供するパターンになります。
敷金、礼金などの初期費用を特定技能外国人から徴収することはできません。
当然ですが貸与することにより経済的利益を得てはなりません。
③受け入れ企業所有の社宅を提供する
※最低限の面積の確保に加え日本人にも社宅がある場合は、日本人と同等である必要があります。
住居の広さ
居室の広さは、1人 当たり 7.5 ㎡以上(約4.1畳)を満たす必要があります。
ただし、技能実習2号等から特定技能へ在留資格を変更し、受け入れ企業が既に確保している社宅等の住居にそのまま居住することを本人が希望している場合は例外です。(技能実習生の場合は最低条件の寝室が4.5㎡以上満さなければなりません。)
なお、ルームシェアするなど複数人が居住することとなる場合には、居室全体の面積を居住人数で除した場合の面積が 7.5 ㎡以上でなければなりません。 (「居室」は居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいい、ロフト等はこれに含まれないので注意が必要です。)
※外国人本人が経済的負担を減らすために7.5㎡を満たさない家賃の安い部屋を希望した場合でも、住むことができません。
さいごに
最後にわかりやすく大事な要点をまとめます。
住まいの提供の3つのパターン
1、外国人本人が賃貸契約を行う(受け入れ企業はサポートを行う必要がある)
2、受け入れ企業が賃貸契約を交わし住まいを提供する
3、受け入れ企業が所有する住まいを提供する
部屋の広さは1人当たり7.5㎡以上必要(基本的に例外は認めない)
賃料で利益を得てはいけない。
以上の点を注意して住まい探しを行ってください。
一般的には受け入れ企業が賃貸契約もしくは社宅を提供するパターンが多く見受けられます。4、5人がシェアハウスをしていることが多いです。
日本人だとシェアハウスを嫌う人がほとんどですが、外国人の場合は出稼ぎに来ている分、家賃を安く抑えられると考えている人も多く、ある程度のプライベートスペースを確保してあげれば喜ばれる場合も多いです。
外国人はパーティが好きな人が多いことから休日前は賑やかになることが多いでしょう。事前に近隣トラブルを防ぐためにもアパートやマンションではなく、一軒家で近隣住宅と少し距離が離れている物件を選ぶのもポイントの1つです。
「適切な住居の確保や生活に必要な契約に係る支援」は登録支援機関に委託できる項目ですので、よく相談して最適な住居を見つけましょう。
転職可能な特定技能外国人の定着率を上げるためには、職場環境だけでなく、生活環境の整備も重要になります。