造船・舶用工業で「特定技能」外国人を雇用する方法

造船・舶用工業で「特定技能」外国人を雇用する方法

今回は、「造船・舶用工業」の特定技能外国人の受け入れ方法や費用についてまとめました。
 
在留資格「特定技能」は、深刻化する人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく制度です。

造船・舶用工業は他の分野に比べどのようなステップが必要なのでしょうか。

特定技能外国人が働ける業務区分


特定技能では6つの業務区分に分かれています。

溶接(手溶接、半自動溶接)

塗装(金属塗装作業、噴霧塗装作業)

鉄工(構造物鉄工作業)

仕上げ(治工具仕上げ作業、金型仕上げ作業、機械組立仕上げ作業)

機械加工(普通施盤作業、数値制御旋盤作業、フライス旋盤作業、マシニングマシン旋盤作業)

電気電子組立て(回転電機組立て作業、変圧器組立て作業、配電盤・制御盤組立て作業、回転電機巻線制作作業)

あわせて、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えないとされています。

関連業務に当たり得るものとして(読図作業、作業工程管理、検査(外観、寸法、材質、強度、非破壊、耐圧気密等)、機器・装置・工具の保守管理、機器・装置・運搬機の運転、資材の材料管理・配置、部品・製品の養生、足場の組立て・解体、廃材処理、梱包・出荷、資材・部品・製品の運搬、入出渠、清掃)などが含まれます。

在留期限


特定技能1号の在留期限は通算5年、家族の帯同は不可。

特定技能1号として5年間の就労後、「建設」と「造船・船舶工業」分野については、次の条件を満たせば2号へと移行が可能となります。

造船・舶用工業において複数の作業員を指揮・命令・管理する監督者としての実務経験を2年以上+「造船・舶用工業分野特定技能2号試験(仮称)(溶接)」に合格。

特定技能2号に移行すれば在留期間の更新に上限なし+家族の帯同が可能となります。

働くまでの流れ


特定技能1号を取得するには大きく分けて2つ、①技能・日本語評価試験を合格するまたは②技能実習からの切り替えのパターンがあります。

①技能・日本語評価試験を合格する

・技能評価試験
「技能検定3級」または「造船・舶用工業分野特定技能1号試験」

・日本語能力試験
「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」または「日本語能力試験(N4)」

 の両方に合格しなければなりません。

技能評価試験日本語能力試験の詳しい内容はこちらから

②技能実習からの切り替え

技能実習2号または3号を良好に修了したものは①と同等以上の能力と認められるため、特定技能への移行が可能です。

※技能実習以外にも特定活動〈造船〉の在留資格からの切り替えも可能です。

「特定技能」外国人を雇用する条件


1⃣造船・舶用工業分野特定技能協議会への加入

造船・舶用工業分野特定技能協議会は同分野における制度の適切な運用図るために設置された機関です。
各受け入れ企業は1人目の特定技能外国人の在留資格が許可された日から4ヵ月以内に協議会へ加入する必要があります。

2⃣制度で定められた支援の実施

特定技能外国人を受け入れるには法律で定められた支援を行う体制を構築するか、支援内容の一切を「登録支援機関」に委託する必要があります。

「特定技能」外国人を雇用する場合の費用


特定技能外国人の給与については同職種に従事する日本人と同等以上とされています。

加えて、在留資格申請費用や登録支援機関に支援を委託する場合には支援委託費用も発生します。

技能実習生の監理団体や士業事務所、人材会社など様々な機関が登録支援機関の登録行っており金額もバラバラな現状です。特定技能外国人の雇用が初めてであれば様々な機関で話を聞くことおすすめします。

さいごに


特定技能は人手不足で悩む企業にとってメリットが多い制度ですが、日本での就労経験がない外国人にはハードルが高いです。他の分野も同じですが特定技能として働く外国人は元技能実習が多いです。

特定技能は転職が可能なので技能実習を修了した技能実習生は、他の分野で働くために技能試験を受験し業種を変えることもあります。
ただ造船・舶用工業分野の技能試験は出張方式で実施されています。受験者が試験に必要な設備や会場を準備し試験監督を呼ぶため費用が高額になります。ですので、他分野からの外国人雇用は非常に難しい現状です。

造船・舶用工業の企業は最初から特定技能外国人を採用するのではなく、技能実習生を雇用し特定技能を目指す方法が良いと思います。3年間の技能実習が終了すれば、試験を受けることなく特定技能に移行できます。
メリットはそれだけではなく、技能実習生の時から信頼関係を築けば、給料が高い都市部へ転職する可能性も低くなるでしょう。



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