【在留資格】「永住者」と「定住者」、「帰化」の違いを徹底解説

【在留資格】「永住者」と「定住者」、「帰化」の違いを徹底解説

今回はよく似ているけど違いが分かりづらい「永住者」と「定住者」に加え「帰化」についてまとめていきます。


永住者と定住者の違い

永住者と定住者


まず永住者と定住者で共通している部分はどちらも就労に制限がないことが挙げられます。

大きな違いは、永住者は在留期間が無制限で更新の必要がありませんが、定住は在留期間に制限があり、在留期間が迫ってくると更新のための審査を受ける必要があります。

とはいえ、永住者も外国人であるため在留カードを所持しておく必要があり、在留カードには有効期限(7年)があります。
更新の際に、審査がなく即日新しいカードを発行してもらえるので、申請の許可が下りるかどうか心配することはありません。

その分、永住権を取得する際の条件はかなり厳しいです。

素行善良であり在留期間が10年以上かつ自活できるほどの経済的な余裕があるかどうかなどが審査のポイントになります。

基本的に日本人や永住者の配偶者や定住者の在留資格を所持している方が永住権の申請を行います。
審査が通るまでの期間は4ヵ月とされていますが、実際には6ヵ月から10カ月くらい時間がかかります。

活動制限について


在留資格には活動制限があります。
就労を目的とした在留資格であれば、仕事を退職し次の仕事が見つからなければ在留資格の取消しになりますし、配偶者などの身分に基づいた在留資格をお持ちの方が離婚や死別した場合、帰国を余儀なくされてしまいます。

永住者(定住者)にはこのような活動制限がないので、より日本での生活がしやすくなります。

日本で生活を希望する外国人は、様々ある在留資格から「定住者」に資格変更を行い、最終的に「永住者」を目指すことになるでしょう。

在留期間の更新の有無が大きな違いになる


定住者…在留資格の更新があり、その都度、期間更新の許可を得る必要がある。


永住者…在留カードの更新のみで期間更新の許可が不要。

※高度専門職2号も永住者同様、在留期間が無制限であるが活動制限があります。
(就労可能な業種に制限があり、就労しなくなれば許可が取り消しとなります。)

次に帰化について詳しく解説していきます。

帰化とは


帰化とは、他国の国籍を取得することを言います。
日本国籍への帰化といえば、外国人が日本国籍を取得することをいいます。
もっとわかりやすく言えば、日本人になることをいいます。

永住者との違いは、外国人か日本人かになります


帰化すると「外国人」という定義から外れるので、当然ながら在留資格制度の対象にはならず、入管法に定められている外国人としての様々な義務から解放されることになります。

日本人が日本に住むには、在留期間という概念はありませんので、面倒な在留期間の更新申請もありません。(もちろん在留カードの所持も不要です。)

一度帰化が許可されるとその許可が取り消されることは基本的にありません。
理論上は取り消しが可能ですが、日本は二重国籍の取得を許可していないので、帰化の取り消しを行うとその人は無国籍になってしまいます。
ですので過去に帰化の許可を取り消しになった例はありません。

永住者が何か重大な犯罪等を犯した場合、母国に強制的に帰国させられますが、帰化した場合は日本人となるので国外に退去されるようなことはありません。

参政権が与えられます


永住権を持ち何十年も日本で生活をしている外国人であっても選挙権は認められません。
もちろん議員として立候補することもできません。

しかし帰化をすれば日本人ですので、もちろん選挙に投票できますし、立候補することも可能です。

パスポートの取得について


帰化すれば日本でパスポート取得する必要があります。
日本は多くの国と査証免除協定を結んでいるので、ビザなしで旅行できる国が増えるかもしれません。

さいごに


「永住者」、「定住者」、「帰化」のそれぞれの違いを理解できましたか?

永住権を取得するためにもかなりの時間と手続きが必要です。
帰化については、世界的にもトップレベルの難易度だそうです。

技能実習や特定技能と紐図けると、日本で合計10年間就労を行った外国人は定住者への資格変更を申請できる可能性があると聞きました。(実際に10年間就労を行った外国人はまだいません。)

外国人従業員が行動制限のない在留資格へ資格変更できれば、企業も大きなメリットになるので積極的にサポート行っていきましょう。
求人を出してもなかなか日本人が集まらない業種は、日本人はもちろん外国人の定着率を上げていくかがポイントになりそうですね。

外国人材についてお気軽にご相談ください

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