建設業分野でよく聞く「JAC」とは?

建設業分野でよく聞く「JAC」とは?

今回は特定技能外国人の雇用でよく聞く「一般社団法人建設技能人材機構(JAC)」の活動についてまとめました。

「JACには絶対加入しないといけないの?」
「何をしている団体かよくわからない」

などの質問をよく受けるのでその正体について解説していきます。(JACのHPはこちら

一般社団法人建設技能機構(JAC)とは

目的


建設分野における特定技能外国人、その他の外国人材の適正かつ円滑な受入れ等に関する事業を行うとともに、建設技能者の技能評価その他の建設技能者の確保等に関する事業を行うことにより、建設分野における人材の確保を図り、もって我が国の建設業の健全な発展に資することを目的としています。

いわば特定技能外国人と受け入れ企業を総合的にサポートしてくれるようなイメージです。

設立の背景 


技能実習制度の建設業分野は他分野に比べて失踪者や問題が多いことや、監理団体の監理不足等があります。








⇐技能実習制度では、建設分野の失踪
 者数が全体の失踪者数の約40%を占
 めています。

  
更に建設業における技能実習実施企業の約8割に労働法令違反が発覚しています。  

  労働基準監督署による技能実習生受入れ企業への監督指導結果



このような現状から建設分野特定技能では、他分野にはない独自の適正な就労環境確保の仕組みを構築する必要がありました。民間の取り組みだけでなく、業所管省庁である国土交通省の指導のもと、建設業の業界団体が立ち上げたものがJACです。

JACの3つの主な事業

適正就労監理業務


JACは適正に特定技能が行われるよう、建設就労者受入事業で巡回指導の実績・ノウハウを豊富に有している、国土交通省が認めた適正就労監理団体であるFITS「企業への巡回指導」「外国人との面談」「母国語相談ホットライン」の業務を委託しています。(FITSのHPはこちら

FITSは原則、特定技能外国人を雇用している全ての企業に対し、1年に1回以上巡回訪問を実施します。
(主に担当者と面会、賃金台帳等の給与に関する書類のチェック、特定技能外国人との面談などを行います。外国人の適正な就労環境確保のため、企業は巡回指導を受け入れる義務があります。

訓練・試験、制度周知、外国人支援


・資格を得るために必要な国内・国外での技能評価試験を実施しています。

・制度をより理解してもらうため「建設分野の1号特定技能外国人受入れマニュア
 ル」の作成や制度の説明会を開催、Youtubeにて制度に関する説明動画の公開を
 しています。

・企業は特定技能外国人に対して10つの支援を行う義務があります。

(出入国在留管理局「在留資格(特定技能)について」参照)

      
上の図の⑦相談・苦情への対応、⑨転職支援(人員整理等の場合)の2つをJACに無償で委託することができます。
※法務省への特定技能支援計画の申請に契約書が必要になるので事前にJACに申し込む必要あり

無料職業紹介(求職求人マッチング)


JACは特定技能で就労を希望する外国人と特定技能外国人を受けいれたい企業のために無料のマッチングサービス行っています。
ホームページから登録行えば、随時トップページに求職求人案内が掲載されます。 
こちらより手続きが行えます。)

入会費用

特定技能外国人を雇用する企業は必ずJACに入会(直接的または間接的)する必要があります。


▸直接的に加入する場合

JACに直接的に入会した企業は賛助会員扱いとなります。

年会費 24万円


▸間接的に加入する場合

この場合はJACの正会員である建設業者団体のいずれかを受け入れ企業が選択し、その団体の会員になることで間接的にJACに加入したと認められます。

JAC正会員(40建設事業者団体)

(一社)日本型枠工事業協会(一社)日本左官業組合連合会
(一社)全国コンクリート圧送事業団体連合会(公社)日本推進技術協会
(一社)日本機械土工協会(一社)日本発破・破砕協会
(一社)全国基礎工事業団体連合会(一社)日本建設機械レンタル協会
(一社)日本基礎建設協会(一社)全国中小建設業協会
(一社)プレストレスト・コンクリート工事業協会(一社)日本道路建設業協会
(一社)全日本漁港建設協会(一社)全国特定法面保護協会
(一社)全日本瓦工事業連盟(一社)情報通信エンジニアリング協会   
(公社)全国鉄筋工事業協会全国圧接業協同組合連合会
(一社)全国建設室内工事業協会日本室内装飾事業協同組合連合会
日本建設インテリア事業協同組合連合会(一社)日本鳶工業連合会
(一社)日本建設軀体工事業団体連合会全国建設労働組合総連合
(一社)日本ツーバイフォー建築協会(一社)日本在来工法住宅協会
(一社)全国住宅産業地域活性化協議会全国管工事業協同組合連合会
(一社)日本金属屋根協会(一社)日本建築板金協会
(一社)全国ダクト工業団体連合会(一社)日本保温保冷工業協会
(一社)日本ウレタン断熱協会日本港湾空港建設協会連合会
(一社)全国建設業協会(一社)日本電設工業協会
(一社)日本空調衛生工事業協会(一社)全国防水工事業協会
(一社)マンション計画修繕施工協会(一社)全国中小建設工事業団体連合会

建設業者団体によって入会条件や年会費は異なるのでどの団体に加入するかは企業ごとに違ってくると思います。どの団体が良いか悩んでいる方はご相談ください。

受け入れ負担金について


JACの事業を継続的に実施していくための受け入れ負担金が特定技能外国人1人あたりに発生します。
 

対象となる特定技能外国人の例1人あたり受入負担金の月額
海外試験合格者(本機構が指定する海外教育訓練を受ける場合)20,000円(参考:年額24万円)
海外試験合格者(本機構が指定する海外教育訓練を受けない場合)15,000円(参考:年額18万円)
国内試験合格者13,750円(参考:年額16万5千円)    
試験免除者(技能実習2号修了者等)12,500円(参考:年額15万円)



さいごに


今回は問い合わせの多いJACについてまとめました。
他分野に比べ問題の多い建設業は、他分野にはないステップ踏む必要があることが理解できたと思います。

今回は紹介していませんが、配属が決まった特定技能外国人は就労から3ヵ月以内に受け入れ後講習(特定技能スタートアップセミナー)を受講しなければなりません。企業側は特定技能外国人に受講させる義務があります。

何かと費用がかかってしまう建設業分野の特定技能ですが、人手不足の解消以外にも多くのメリットがあります。ご不明点などありましたらお気軽にお問い合わせください。

外国人材についてお気軽にご相談ください

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